月別アーカイブ 10月 2019

著者:sa-maru_002

熱処理できますか(パーマロイ編)

熱処理できますか(パーマロイ編)

 

今回は「パーマロイ編」になります。

パーマロイはニッケルと鉄の合金です。

1)高透磁性

2)低保磁力

3)エネルギー損失僅少

の磁性材料です。

しかし、部品加工すると全てを失ってしまいます。

このパーマロイの特性を最大限に引き出すには

磁気焼鈍」(じきしょうどん)と呼ばれる熱処理が必要となります。

設備一覧」に関してはこちらをご覧ください。

 

今回はサーマル化工で熱処理を行っている「パーマロイ」をご説明します

 

パーマロイにはNi含有率によって名称が異なります。

パーマロイはAからDまであり、一般的に多く使用されているのは

1) パーマロイB 45%Ni-Fe 高磁界(人と遠い距離)で使用されることが多く、

2) パーマロイC 78%Ni-Fe 低磁界(人に近い距離)で使用されています。

パーマロイは加工を施すと加工硬化が起き、内外部にひずみが起きます。

第一段階として外部ひずみを加工前後に軽減させる熱処理、「応力除去焼鈍」をおこない

第二段階で内部ひずみ(磁性)を改善させる熱処理を「磁気焼鈍」をおこないます。

パーマロイは純鉄やケイ素鋼板に比べて

1)異方向エネルギーが少なく

2)磁気歪みが小さく

3)不純物が少ない

という条件が揃わないと材料本来の磁気特性を発揮することが出来ません。

この3つを同時に行える工程は高純度の水素雰囲気下で熱処理をおこなう必要があります。

そんなことが同時に・・・出来てしまうのがサーマル化工の熱処理技術です。

水素雰囲気による熱処理」に関してはこちらをご覧ください。

 

サーマル化工で熱処理を行っている主な磁性材料です(JIS規格参照)

 

パーマロイは各鋼材メーカーによりブランド化されてます。

代表的なものではPC-1 PB-12(日立金属ネオマテリアル製)

MEN-PC PB(大同特殊鋼製)などがあります。

磁性材料は加工途中に発生する不純物を除去しないと満足な磁気特性が得られません。

それにはきわめて純粋な水素雰囲気下での「焼鈍」を各鋼材メーカーで推奨しています。

磁気焼鈍」はこちらをご覧ください。

 

サーマル化工では100μm以下の熱処理が可能な技術を持っています

 

パーマロイは非常に優秀な材料であるとともに、純鉄に比べ高価になります。

その為、熱処理による歩留まり率は極力少なくてはいけません。また、1点ものである場合も

多く、失敗は出来ないという受注例もあります。

最も多いお問い合わせは「製品同士の溶着

次に多いのが「変形」そして「磁気特性が満足に得られない」の順です。

応力除去焼鈍」は600℃から900℃の間でおこない、炉冷、徐冷が必要です。

磁気焼鈍」になると1100℃から1150℃で3時間以上熱処理をおこない

炉冷で600℃までゆっくりと冷やし(この間に不純物の除去がおこなわれています)

600℃から急冷することによって磁気特性が最大値まであがります。

全ての工程で24時間の熱処理が必要となり、一般の会社では現実的には行うことは

難しいと思われます。

ですが、サーマル化工は月から金まで24時間連続操業です。

他社の3倍、稼働時間がありますので、長時間の処理も難なく受け賜われます。

高温、長時間、雰囲気下(もしくは真空下)で熱処理をおこなうと金属表面が活性化され

溶着がおこります。要因は色々考えられますが、

 

  • 「炉内一杯に詰め込みすぎ」

これは最も溶着する要因となり、特性のばらつきにも繋がり、ほぼ全数が不良となる原因です。

  • 「重ねすぎ・治具に入れすぎ」

パーマロイは熱処理後、硬度が極端に落ちます。こちらもほぼ全数が不良となってしまいます。

  • 「不十分な前処理」

切削油やコンタミは製品同士の溶着につながるだけでなく、特性の劣化に直結します。

  • 「乱雑な治具への投入」

質量が合っているからといってバラバラに投入するのは絶対に行ってはいけません。

溶着・変形し、部品として使用することは出来なくなります。

  • 「整列処理・整列梱包の経験不足」

パーマロイは治具への整列、投入量の標準化を図っていても、形状により溶着します。

50年以上の経験がある弊社では形状別に投入方法のノウハウがあります。

一度熱処理したパーマロイは少しの衝撃で変形、磁気特性の劣化が大きく見られる材料です。

サーマル化工では熱処理前後の保磁力測定、衝撃から製品を守る梱包手法のご提案も行っています。

部品加工例」はこちらをご覧ください。

 

今回は「パーマロイ」に関する事例を取り上げました

 

近年は部品形状もより小さく、より細かく、より高精度を求められています。

また、複雑な処理条件にも対応できます。

また疑問、課題、ご不明な点などございましたら、

お問い合わせフォームにご連絡いただければ幸いです。

次回は「ステンレス」に関しての投稿になります。

熱処理できますか(ステンレス編)

 

水素熱処理のサーマル化工

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

著者:sa-maru_002

熱処理できますか(純鉄編)

熱処理できますか(純鉄編)

熱処理できますか? という問い合わせがきます。

金属熱処理の会社ですので「はい、できます」と答えるのが普通なのですが、

答えは「いいえ、サーマル化工だけではできないこともあります」になります。

熱処理業界の団体調査によりますと、全体の90%近い会社が硬化処理、

いわゆる「焼入れ」を主としており、サーマル化工の主体業務は軟化処理、

焼きなまし」という聞きなれない熱処理を行っています。

この「焼きなまし」は専門用語で「焼鈍」(しょうどん)と呼ばれ、材質により「磁気焼鈍

(じきしょうどん)と呼ばれる特殊工程になります。

設備一覧」に関してはこちらをご覧ください。

今回はサーマル化工で熱処理を行っている「軟鉄」をご説明します

「軟鉄」の中でも炭素量0.02から0.05%の低炭素鋼は「純鉄」と言われています。

この「純鉄」ですが加工を施すと加工硬化が起き、内外部にひずみが起きます。

外部ひずみを加工前後に軽減させる熱処理を「応力除去焼鈍」(低温焼鈍ともいいます)

内部ひずみ(磁性)を改善させる熱処理を「磁気焼鈍」といいます。

これらはどちらの処理もきわめて純粋な水素雰囲気中で「焼鈍」することが必要です。

温度による内部ひずみの再結晶化と同時に酸化物を除去することで、金属特性を向上させ

さまざまな製品へと使用されます。

水素雰囲気による熱処理」に関してはこちらをご覧ください。

サーマル化工で熱処理を行っている主な磁性材料です(JIS規格参照)

  • 純鉄 SUY 0種から3種まであり、各鋼材メーカーによりブランド化されてます。

代表的なものではELCH2(神戸製鋼所製) ME(大同特殊鋼)などがあります。

  • 快削純鉄 SUM 若干C量が高めですが、多くの製品に使用されています。
  • 冷間圧延 SPCC こちらも加工の形状などにより、多く使用されています。
  • 低炭素鋼 S10C 数値がカーボン量になります。

45Cからは焼入れ材として使用される場合が多く、

軟化処理には長時間の熱処理が必要となり、磁性材料としての特性は得にくくなります。

また、磁性材料は加工途中に発生する不純物を除去しないと満足な磁気特性が得られません。

それにはきわめて純粋な水素雰囲気下での「焼鈍」を各鋼材メーカーで推奨しています。

磁気焼鈍」はこちらをご覧ください。

サーマル化工では比較的小さなサイズの熱処理を行っています

しかし、最初からお客様の満足する結果に応えられているいるわけではありません。

寸法公差であったり、磁気特性であったり、色々あります。

しかし、それ以外の問題点を改善できないかというお問い合わせを多くいただきます。

最も多いお問い合わせは「製品同士の溶着」が発生です。

焼鈍」という熱処理は600℃から800℃以上の高温で長時間おこなわれ、

磁気焼鈍」になると850℃から900℃で12時間以上熱処理をおこないます。

鈍いという言葉が入っている通り、ゆっくり時間をかけておこない金属特性を上げる熱処理です。

高温、長時間、雰囲気下(もしくは真空下)で熱処理をおこなうと金属表面が活性化され

溶着がおこります。要因は色々考えられますが、

  • 「炉内一杯に詰め込みすぎ」

これは硬度、特性のばらつきにも繋がり良品率低下の原因です。

  • 「重ねすぎ・治具に入れすぎ」

炉内のスペース確保のため偏った投入は上記同様の結果となります。

  • 「不十分な前処理」

切削油やコンタミは製品同士の溶着につながるだけでなく、特性の劣化に直結します。

  • 「乱雑な治具への投入」

質量が合っているからといってバラバラに投入した場合は溶着変形と原因になります。

  • 「整列手法の経験値不足」

治具への整列、投入量の標準化を図っていても、形状により溶着します。

50年以上の経験がある弊社では形状別に投入方法のノウハウがあります。

部品加工例」はこちらをご覧ください。

今回は「純鉄」に関する事例を取り上げました

近年は部品形状もより小さく、より細かく、より高精度を求められています。

また、複雑な処理条件にも対応できます。

また疑問、課題、ご不明な点などございましたら、

お問い合わせフォームにご連絡いただければ幸いです。

次回は「パーマロイ」に関しての投稿になります。

熱処理できますか(パーマロイ編)

水素熱処理のサーマル化工

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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