「金属の歴史」3

「金属の歴史」3

「日本に伝わったのはいつ頃なのか」

 

 

紀元前300年頃、日本に青銅器が伝来したといわれ、その時代と思われる鉄器も発見されました。

その時代は、世界各地で鉄の生産が始まった頃であり、

中国や朝鮮でも鉄の製造が行われていた記録が残っています。

中国では日本より数百年前から製鉄・製鋼が行われており、紀元前600年頃には人工鉄が普及して

いきました。その頃の中国は戦国時代で漢の時代、紀元前200年頃には大量生産時代に入っていた

と考えられています。そしてその頃には熱処理技術である

・浸炭(しんたん、炭素を鉄に入れ表面を硬化させる熱処理)

・脱炭(だったん、鉄から炭素を外に出し、軟化させる熱処理)

・焼入(やきいれ、炭素の入った鉄を芯から硬化させる熱処理)

などの高度な熱処理技術が完成していたとされており、これはヨーロッパより1000年以上早く

中国は紀元前400年から西暦1500年までは鉄の先進国であったといえます。

 

 

 

「製鉄技術と戦国時代」

 

古代、最高峰の製鉄技術と伝えられている、ダマスカス鋼は今でも謎の多い金属です。

それは「絹のネッカチーフを刃の上に落とすと、絹自身の重みで真っ二つになり、鎧を切っても刃こぼれ

せず、柳の枝のようにしなやかに曲げても折れず、その手を離すと軽い音とともに真っ直ぐになる」

といわれ、戦乱の王や兵士達はその刀に憧れであったようです。

製法として、溶けた鋳鉄がゆっくり凝固するときの内部結晶作用によって生じたものと考えられており、

ここでも高度な熱処理技術である

脱炭(焼きなまし)で鉄にしなやかさを与え、浸炭で炭素を染み込ませ(ここ鋼と呼ばれる炭素鋼となり)

焼入で刃の強度を上げたものと思われます。

しかしながら、錆びないという点ではステンレスに含まれているクロムが含まれておらず、

現代でも神秘性が残っています。同じように日本でも法隆寺で使用されていた古釘も同様に錆びておらず

それはまだ謎のままです。

 

 

 

「古代アメリカ・アフリカの金属」

 

では、その他の大陸での金属はどのような進化を遂げていたのか。古代アメリカ大陸では独自に金属を

発見し、用いていたとされています。金は紀元前1500年頃より使用されており、その他にも

銀・銅・青銅といった貴金属は使われていたようですが、鉄は使われていなかったとの見解があります。

そのためか西暦1500年、大航海時代にスペインの侵入を防げず、簡単に滅ぼされてしまったと

されています。このことから、鉄製の道具、武器のようなものは無かったと言えます。

しかし、青銅はかなり使用されており、銅合金も使われていたことを考えると、かなり高度な冶金知識

(別々の金属を混ぜ合わせ、合金を作る技術)があったのではないかとの説もあります。

では古代アフリカ大陸の鉄の始まりはいつ頃だったのでしょうか。

古代エジプト、ギゼーのピラミッドで見つかった鉄など、最も古くから鉄を知っていたとされています。

これらは鉄隕石材と推定されていて、鉄は天からの恵みとされ、宗教的な考えから人工的に鉄を作るという

ことは無かったようです。しかし、サハラ砂漠南部で発見された鉄は紀元前1000年頃の人工鉄とみられ、

世界中どこの製法とも異なるため、鉄を作る技術は独自に開発されたものではないかという説も出ています。

 

 

 

 

 

「鉄鉱石から鉄を作る技術」

 

現代のように鉄鉱石を溶解させる技術や燃料が無かった古代、どのように鉄を作っていたのか。

鉄鉱石は溶けなくとも鉄に変えることが出来る技術を使用していたようです。

最初に800℃くらいまでの加熱で化学反応を起こし、鉄の酸素を除去して金属鉄にしていましたが、

この状態では不純物が多く鉄としては使用出来なかったので、赤熱した鉄を打ち叩いて不純物を取り出し

鉄原子どうしをくっつける、「鍛造」を繰り返しおこなっており、その後、炭に包んで熱し、炭

素鋼を作っていたとされています。イメージすると刀鍛冶の工程と同じようなものだったのでしょうか。

これは化学式が発見され、化学反応で製鉄される数千年前から人は経験を積み重ね、鉄を作っていたという

ことになります。

 

次回「金属の歴史4」に続きます。

 

参考文献:株式会社 上島熱処理工業所

顧問 鶴見州宏様

 

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