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著者:sa-maru_002

熱処理できますか(特殊鋼編)

熱処理できますか(特殊鋼編)

 

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

令和2年最初の投稿は「特殊鋼編」になります。

 

「特殊鋼」とは、鉄に炭素以外の元素を加えた合金鋼のことです。

「特殊鋼」は添加する元素によって特性が大幅に上昇します。

特性とは鋼の

・強度

・硬度

・耐摩耗性

・耐食性

・耐熱性

が増すことを指します。

ただし、全てを網羅することは出来ませんので、それぞれ添加する元素で

特性を変化させ、目的によってその材質を使い分けています。

主な添加物(元素)として

・マンガン Mn 粘りを損なわず、強度が増します。

・クロム Cr 摩耗に強くなり、錆びにくくなります。

・モリブデン Mo 高温下での強度、硬度が増します。

・タングステン W モリブデンの上位、同等の作用があります。

・ニッケル Ni 粘りと強さが増し、温度にも強くなります。

・チタン Ti 表面硬度が増し、錆びにくくなります。

また、これ以外にも

・磁性を強くする

・磁性を抑える

・精密加工が出来る

・しなやかになる

といった特性を得る添加物もあり、このような材料からつくられた部品の熱処理を

サーマル化工で行っています。

では、「特殊鋼」に必要な熱処理とは何か?

今回は「特殊鋼」の熱処理を材質別にご紹介いたします。

 

サーマル化工で熱処理を行っている「特殊鋼」の熱処理をご説明します

 

「特殊鋼」は使用目的別に分類されていて、鉄・炭素を主とした鋼に比べ

多くの添加物を数パーセントずつ配合したものになります。

添加物には希少金属が多く含まれており、当然ですが高価なものがほとんどです。

画像はインコネル750X(Inconel®)の恒久バネになります。

この恒久バネの硬度をさらに増すためには「時効硬化処理」という熱処理が必要です。

特殊鋼のほとんどは開発段階から適切な熱処理条件が設定されている場合

が多く、インコネル750Xの「時効硬化処理」の場合

・704℃ 20時間保持

また、インコネル718では

・720℃ 8時間保持 → 620℃ 10時間保持

となります。

昇温・降温と常温まで冷却する工程を入れると約30時間かかります。

この処理時間をどうやって行うのか?

当然ですが人が管理するには無理があります。

また、自動制御で確実に処理を行えているか無人では不安も生じます。

ですが、サーマル化工は月曜日から金曜日まで24時間交代制による連続操業

を行っており、最長で120時間の処理が可能です。

長時間処理もなんなく行うことが出来ます。さらに自動制御に加えて

目視管理も行っておりますので、他社では不可能な処理が可能となります。

これらの「特殊鋼」は小ロットでかつ高単価な場合が多く、失敗は許されません。

大気中で処理を行ったり、雰囲気を形成出来ていなかったり(真空でも同様のことが言えます)

熱処理が何らかのトラブルで途絶えてしまうと従来の特性を得ることは出来ません。

そのような知識と経験は50年以上の実績があるサーマル化工の熱処理技術で対応いたします。

 

サーマル化工では水素による光輝焼鈍の熱処理技術を持っています

 

次は特殊鋼の添加剤でも使用されている元素

・モリブデン Mo

・タングステン W

・ニッケル Ni

の熱処理例です。

こちらの画像はタングステンとハステロイ(耐酸性に優れた特殊鋼)

になります。

高温下での使用部品や酸洗が必要となる設備での部品に使用されるものです。

強度や硬度などの特性を得られるかわりに、非常に硬く部品に加工するには

難しい、難加工材とも呼ばれます。

その代償として無理に加工を行うと歪みが生じて図面寸法通りに仕上がらない

という問題が起こります。

これには「応力除去焼鈍」が必要となり、その違いははっきりと表れます。

その処理温度ですが加工する材質や寸法、使用目的によって大きく

異なり、900℃前後から1100℃以上まで顧客により指定温度

が違い、また、保持時間も異なります。

特殊鋼も他の材質と同じく熱処理条件を間違えると元の硬度に戻すことは出来ません。

サーマル化工は24時間連続稼働、多くの温度帯を同時に処理が可能な

設備を保有しています。

設備一覧」に関してはこちらをご覧ください。

画像はモリブデン Mo のワイヤー加工前ですが、同様に硬く加工は困難です。

こちらも「応力除去焼鈍」でしなやかさが増し、加工しやすくなります。

しかし、高純度の雰囲気で熱処理を行わないと特殊鋼は特性を得られなくなる

だけでなく、金属組織そのものが変化し、劣化の原因となってしまいます。

また、他の材質と同じく熱処理条件を間違えると元の硬度に戻すことは出来ません。

「特殊鋼」は前段でもご説明したように高価なものです。

それには正確な条件、長年の経験と豊富な実績のあるサーマル化工へお任せください。

水素雰囲気による熱処理」に関してはこちらをご覧ください。

 

サーマル化工へよくあるお問い合わせの一例です

 

特殊鋼のほとんどは高温、長時間、雰囲気下(もしくは真空下)

で熱処理をおこなってもあまり変化は見受けられず、若干雰囲気が悪くても

スケールなどが出ることはありません。

しかし、材質によっては目視では判断できない不具合が生じる分、慎重に

取り扱わなくてはいけません。

 

・想定していた特性が得られない・・・「温度条件が合っていない」

厚みや加工度合いによって大きく異なります。これには幾度の試作が必要となる

場合があります。

サーマル化工では小型実験用炉を2基保有しております。

研究開発案件や試作を得意としています。

 

・変形してしまった・・・「重ねすぎ・治具に入れすぎ」

特に長時間の熱処理が多い「特殊鋼」は入れすぎると変形の要因になります。

また温度ムラは特性が得られない要因となり、最終工程まで不具合を見つけにくい

ので大きな問題につながりかねません。

 

・処理後に変色してしまう・・・「不十分な前処理、安定していない雰囲気での熱処理」

「特殊鋼」は酸化、変色などが起こりにくい材質もありますが

切削油やコンタミが残留していると、表面の変色につながります。

また、目視や硬度、特性検査では判明しない組織の劣化が起こる場合があります。

部品加工例」はこちらをご覧ください。

 

今回は「特殊鋼」に関する事例を取り上げました

 

近年は部品形状もより小さく、より細かく、より高精度を求められています。

また、複雑な処理条件にも対応できます。

また疑問、課題、ご不明な点などございましたら、

お問い合わせフォームにご連絡いただければ幸いです。

次回は「磁性材料」に関しての投稿になります。

 

水素熱処理のサーマル化工

「よくわかるサーマル化工サイトはこちら」

著者:sa-maru_002

熱処理できますか(非鉄編)

熱処理できますか(非鉄編)

 

今回は「非鉄編」になります。

サーマル化工で熱処理をおこなっている代表的なものは銅・真鍮(しんちゅう)・アルミ

になります。硬貨でいうと10円玉・5円玉・1円玉ですね。

その他多くの材種がありますが、今回は特に「銅と真鍮」を中心に事例を挙げてみます。

銅は金・銀と同じく遷移金属で、人類に古くから利用されています。

銅は軟らかく、電気を通しやすく、延び率も良い金属です。また熱を伝える力も強く

銅像のような成形品から電子部品まで幅広く使われているなじみ深いものです。

とても種類が多いのでおおまかに分類すると

1)純銅 (無酸素銅 C1020 タフピッチ銅 C1100など)

2)高銅合金(ベリリウム銅 C1700 C1720など)

3)黄銅(真鍮)(六四黄銅 C2801 快削黄銅 C3604など)

4)銅ニッケル合金(キュプロニッケル C7150 洋白 C7521など)

のように分けられています。

高圧電力から電子部品、最近では電気自動車まで熱と電気に関わる製品から

ガスケット・パッキン・装飾品・建築資材まで幅広く使用されています。

・銀と並び貴金属での使用頻度が高く、最近では国内でのリサイクルも活発です。

都市鉱山という言葉も出来るほど日本国内で流通しています。

軟らかく、しなやかな銅にも欠点があります。それは加工を施すと硬化してしまう

「加工硬化」が起こってしまう事と、表面が変色(酸化)しやすい

ということです。

その問題は熱処理で解決可能です。

今回は銅・真鍮の「応力除去焼鈍処理」と「光輝焼鈍処理」いう熱処理になります。

 

今回はサーマル化工で熱処理を行っている「銅・黄銅・アルミ」をご説明します

 

一般的な銅の定義は反磁性、表面に酸化被膜を帯びています。融点は1083℃で

金・銀に比べて高いので熱源に近い部品や電気部品に使用されています。

ただし、軟らかさを特性とした材質なので、当然ですがそのような部品に使われることが

多くなります。

 

画像は無酸素銅で加工されたガスケットですが、硬化しているため最終工程で割れが

生じてしまいます。このお客様は以前、ガスバーナーの直火で軟らかくしていました。

その手法では

1) 炎なので温度が高すぎて溶けてしまう

2) 人の手なので硬さがばらつく

3) 激しく酸化(真っ黒になります)するので酸洗などの次工程が必要になる

の問題が起こっていました。

サーマル化工では適切な温度管理と、部品の硬度からの条件出し、雰囲気ガスによる

無酸化状態での熱処理、が可能です。歩留まり改善と硬度の標準化、酸洗などの工程削減

を同時に改善することが可能です。

お客様の問題は「光輝焼鈍処理」で解決しました。

銅にはあらかじめ硬度が設定された状態で販売されています。

1)O材(なまし材)

2)H材(1/2H 1/4Hなどがあります)

がO材でも加工硬化が起こり、指定硬度は熱処理無しでは難しくなります。

また、母材次第では硬化率が異なり、温度条件は250℃から550℃までと

範囲がとても広くなります。

大気中で処理を行ったり、雰囲気を形成出来ていなかったり(真空でも同様のことが言えます)

熱処理条件を間違えると銅は元の硬度に戻すことは出来ません。

そのような知識と経験は50年以上の実績があるサーマル化工の熱処理技術で対応いたします。

水素雰囲気による熱処理」に関してはこちらをご覧ください。

 

 

サーマル化工では光輝焼鈍の熱処理が可能な技術を持っています

 

次は黄銅(真鍮)です。ブラスとも呼ばれています。(ブラスバンドのブラスです)

銅と亜鉛の合金で割合が6:4なので六四黄銅と言われ、快削性を上げた快削黄銅は

幅広い分野で使用されています。

1)加工性がよく

2)酸化しにくい

3)価格もほどほど

のですが、経年劣化による割れと銅と同じく加工硬化が起こるため

応力除去焼鈍処理」や「光輝焼鈍処理」が必要となります。

 

黄銅は250℃から350℃でおこなう「応力除去焼鈍処理

それ以上の温度でおこなう「光輝焼鈍処理」に分けられます。

経年劣化や加工応力を除去する場合と、上記画像にあるように加工硬化を

軟化する目的とがあります。ただし、温度を上げすぎると亜鉛が析出し

黄銅色が濃くなったり、それ以上になると白っぽくなったりします。

これは析出といって表面に内部の成分が表れてしまう現象です。

やみくもに温度を上げれば軟らかくなる、というものでもありません。

黄銅の熱処理は温度が達すれば、「磁気焼鈍処理」のような保持時間は必要ない

と言われていますが、一度に大量にかつ質量がある場合はそれ相応の温度と

時間が必要となります。

黄銅も銅と同じく熱処理条件を間違えると元の硬度に戻すことは出来ません。

サーマル化工は24時間連続稼働、多くの温度帯を同時に処理が可能な

設備を保有しています。

アルミですがこちらも黄銅同様の加工硬化などの現象が起こりますが

黄銅に比べて温度が低くなります。一般的なA5056の溶解温度は660℃です。

その為、温度条件を間違えたりすると、当然ですが溶けます。

多くの加工部品に使用されており、大気中でも酸化しないので大気炉でも熱処理は

可能ですが、黄銅や銅と同じく熱処理条件を間違えると元の硬度に戻すことは出来ません。

設備一覧」に関してはこちらをご覧ください。

 

 

サーマル化工へよくあるお問い合わせの一例です

また、銅・黄銅も鉄やパーマロイ、ステンレスと同じく

高温、長時間、雰囲気下(もしくは真空下)で熱処理をおこなうと金属表面が活性化され

溶着がおこります。要因は色々考えられますが、

 

  • 溶着してしまった・・・「炉内一杯に詰め込みすぎ」

形状を確認せず、詰め込みすぎると銅も溶着します。特に軟らかいので全数不良となります。

 

  • 変形してしまった・・・「重ねすぎ・治具に入れすぎ」

銅・黄銅・アルミともに熱処理後は硬度が落ちます。入れすぎが変形の要因になります。

 

  • 処理後に変色してしまう・・・「不十分な前処理」

切削油やコンタミは、表面の変色につながり、次工程処理が不可能になる場合もあります。

 

  • 硬度が安定しない・・・「乱雑な治具への投入」

質量が合っているからといってバラバラに投入するのは絶対に行ってはいけません。

溶着・変形し、部品として使用することは出来なくなります。

サーマル化工ではマイクロビッカース硬度計を保有しており、前後の硬度検査が可能です。

 

  • 処理後に酸化し、メッキがのらない・・・「整列処理・整列梱包の経験不足」

銅は治具への整列、投入量の標準化を図っていても、形状により溶着します。

また、梱包に紙などを同梱してしまうだけで激しく酸化します。

50年以上の経験がある弊社では形状別に投入・梱包のノウハウがあります。

 

一度熱処理し、硬度が落ちた非鉄は再処理出来ない材料です。

サーマル化工では衝撃から製品を守る梱包手法のご提案も行っています。

部品加工例」はこちらをご覧ください。

 

今回は「銅・黄銅・アルミ」に関する事例を取り上げました

 

近年は部品形状もより小さく、より細かく、より高精度を求められています。

また、複雑な処理条件にも対応できます。

また疑問、課題、ご不明な点などございましたら、

お問い合わせフォームにご連絡いただければ幸いです。

次回は「特殊鋼」に関しての投稿になります。

 

水素熱処理のサーマル化工

「よくわかるサーマル化工サイトはこちら」

著者:sa-maru_002

戸田市女性職場環境整備補助金活用事例で紹介されました

戸田市女性職場環境整備補助金活用事例で紹介されました

本年、令和最初の補助金は戸田市

「女性職場環境整備補助金」を活用し女子トイレ周辺をリニューアルしました。

 

戸田市のホームページはこちら

女性職場環境整備補助金活用事例の紹介

 

工事は猛暑の中、ぐっとリフォーム様に施工をお願いしとても素晴らしい

パウダールームへ変貌を遂げました。

ぐっとリフォーム様の紹介事例はこちら

 

改修前の課題

女性社員のために、2年ほど前に工場の外にある倉庫内に簡易的なトイレを設置しましたが、

男性従業員も倉庫に出入りするため、女性がトイレを使用するときにはお互いに気を使っていました。

倉庫内を片付け、広々としたおしゃれなパウダールームを新設しました。

パウダールームにはエアコンも完備され、休憩場所としても利用できます。

トイレのドアの前にも壁ができたため、倉庫内に人がいても使用しやすくなりました。

 

改修後の影響・効果、社員の反応

 

改修後の影響

工事に伴い倉庫内を片付けたことで、倉庫や工場内が整理整頓され、

効率の良い導線を確保することができました。

女性だけでなく男性への影響も大きかったです。

新たに1名女性社員を採用できました。

女性社員の反応

休憩場所ができたため、食事などトイレ以外でも立ち寄ることが多くなりました。

工事に際して、倉庫内の片付けを社員全員で行いましたが、

皆さん協力的でありがたかったです。

自分たちのためにきれいなパウダールーム・トイレを整備してもらい、

会社から大事にされていると実感しました。きれいな状態を維持し続けたいと思っています。

金属を扱う工場ということで不安でしたが、

女性も大切にされていると感じ、入社を決めました。

入社後も働きやすいと感じています。(新入女性社員より)

 

 

このリニューアルで、会社の構造変化がおこり、整理・整頓がおこなわれ

清潔な空間づくりが出来ました。

毎日使う場所が使いづらくては、効率もあがりません。

労働環境改善を推進する会社となっていきます。

 

著者:sa-maru_002

年末年始休業のご案内

年末年始休業のご案内

2019年11月28日

誠に勝手ながら2019年12月28日(土)より
2020年1月5日(日)まで休業させてきます。

 

年内仕上がり最終受入れ日 12/23(月)17:00

※仕上がりは2019年12月25日(水)となります

 

年内受け入れ最終日    12/27(金)12:00

※仕上がりは2020年1月8日(水)となります

皆様には大変ご不便をおかけいたしますが、

何卒、ご理解ご了承を賜りますようお願い申し上げます。

著者:sa-maru_002

熱処理できますか(ステンレス編)

熱処理できますか(ステンレス編)

 

今回は「ステンレス編」になります。

「ステンレス」ほとんどの方が携わっている合金ですね。製造業の方でなくとも知っています。

錆び(Stain)にくい(less)のでステンレス。

ステンレスは大きく分けて

1)オーステナイト系 (SUS304・316など)

2)フェライト系 (SUS430など)

3)マルテンサイト系 (SUS420J2など)

4)析出硬化系 (SUS630など)

5)オーステナイト・フェライト系(SUS329J1など)

その他色々な種類があり、最も身近な材質でもあります。

食器などにも使用されるSUS304、シンクなどに使用されるSUS430、

ハサミなどにはSUS420J2というように普段の生活に浸透しているものばかりです。

特に水に強い!というSUS304の成分は「18Cr-8Ni―他」です

(製品表記には18-8ステンレスとなっている場合もあります)

これで何でも作れば強度もあって、水にも強い。まさに無敵の材質です!

とはいきません。それなりに問題点もあります。

その問題を熱処理で解決できることがあります。

今回はステンレスの「固溶化処理」と「応力除去焼鈍処理」という熱処理になります。

 

今回はサーマル化工で熱処理を行っている「オーステナイト系ステンレス」をご説明します

 

一般的なオーステナイト系ステンレスの定義はカーボンが1.2%以下、

クロムが10.5%以上含有していること、となっています。

オーステナイト系ステンレスは「不動態被膜」というものに守られていて、

被膜が傷ついても瞬時に再生することが出来ます。

そのおかげて錆びない、酸に強い、ニッケルが入ると塩にも強い、という

材質です。まさに無敵!のように感じますが、問題が無いわけではありません。

今回はサーマル化工で取り扱いの多い、オーステナイト系ステンレスの事例を上げます。

SUS304は加工を施すと加工硬化が起き、激しく歪んだり、薄い部分が割れてしまったりと

図面通りの寸法が出せないという問題があります。

外部ひずみを加工前後に軽減させる熱処理「応力除去焼鈍処理」をおこなうことで

加工ひずみの問題を解決することが可能です。

その事例ですが、素材から加工すると図面に記載されたように変形し、悩んでいる

お客様の問題は「応力除去焼鈍処理」で解決しました。

※フラットバーを図面のように加工したが「応力除去焼鈍処理」無しでは手書き線のように歪んでしまった。

このような工程は高純度の水素雰囲気下で熱処理をおこなう必要があります。

また、ステンレスは種別や目的によって温度が異なります。

大気中で処理を行ったり、雰囲気を形成出来ていなかったり(真空でも同様のことが言えます)

熱処理条件を間違えるとステンレスの特性が激しく劣化する為、知識と経験が必要です。

そのような知識と経験は50年以上の実績があるサーマル化工の熱処理技術で対応いたします。

水素雰囲気による熱処理」に関してはこちらをご覧ください。

 

サーマル化工で熱処理を行っている主なステンレスです(JIS規格参照)

 

ステンレスは各鋼材メーカーにより多くの種類がつくられており、販売されています。

JFEスチール株式会社 日本金属株式会社 など多くの会社が製造、取り扱いをしています。

東北特殊鋼株式会社の製造しているKMシリーズは磁性ステンレス鋼というものもあり、

一般的には非磁性(純鉄、パーマロイのように磁性が無い)ですが、磁性材料として

使用できるステンレスもあります。(磁気特性に関しては各社ホームページをご参照ください)

磁性材料は加工途中に発生する不純物を除去しないと満足な磁気特性が得られません。

それにはきわめて純粋な水素雰囲気下での「焼鈍」を各メーカーで推奨しています。

磁気焼鈍」はこちらをご覧ください。

 

サーマル化工では光輝焼鈍の熱処理が可能な技術を持っています

 

オーステナイト系ステンレス(SUS304、316など)は

1)耐食性(水に強い、錆びにくい)

2)耐酸性(酸に強い、劣化しにくい)

3)非磁性(磁石につかない)

特に2)の特性を上げるには「固溶化処理」という熱処理が必要です。

固溶化処理」はオーステナイト系ステンレスでは最も一般的な熱処理で

1100℃前後の高純度水素雰囲気、もしくは高真空中の酸素がほとんど無い

条件で行わないといけません。大気や不活性ガスで行うとあっという間に酸化し

変色してしまい、次工程で酸洗処理などの工程が増え、高コストの要因になります。

ただし、ただ行えばよいものでは無く、冷却時に「急冷」が必須条件となります。

約800℃から500℃の間をゆっくりと冷ましてしまう「徐冷」を行うと

1)と2)の特性が得られなくなります。これを「低温脆性」と呼び、ステンレスの

熱処理は実績と経験が重要になります。

また、ステンレスは熱処理による膨張と冷却による収縮が激しく起こります。

そのため、部品形状により処理方法が異なります。

※0.1mmのオーステナイト系ステンレスを1100℃→急冷した場合に起こる

膨張収縮、かなり表面に凹凸がでます。

この現象を防いだり、加工硬化による変形を軽減させるには

応力除去焼鈍」が必要です。「固溶化処理」よりも低温でおこないますが

この温度帯の処理を行う会社は少なく、温度も一定(例えば1100℃のみなど)

で稼働するのが一般的です。

ですが、サーマル化工は24時間連続稼働、多くの温度帯を同時に処理が可能な

設備を保有しています。

設備一覧」に関してはこちらをご覧ください。

高温、長時間、雰囲気下(もしくは真空下)で熱処理をおこなうと金属表面が活性化され

溶着がおこります。要因は色々考えられますが、

 

  • 「炉内一杯に詰め込みすぎ」

これは最も溶着する要因です。特性のばらつきにも繋がり、ほぼ全数が不良となる原因です。

  • 「重ねすぎ・治具に入れすぎ」

オーステナイト系ステンレスは熱処理後、硬度が落ち、ほぼ全数が不良となってしまいます。

  • 「不十分な前処理」

切削油やコンタミは製品同士の溶着につながるだけでなく、表面の変色が必ず発生します。

  • 「乱雑な治具への投入」

質量が合っているからといってバラバラに投入するのは絶対に行ってはいけません。

溶着・変形し、部品として使用することは出来なくなります。

  • 「整列処理・整列梱包の経験不足」

ステンレスは治具への整列、投入量の標準化を図っていても、形状により溶着します。

50年以上の経験がある弊社では形状別に投入方法のノウハウがあります。

一度熱処理したオーステナイト系ステンレスは再処理出来ない材料です。

サーマル化工では衝撃から製品を守る梱包手法のご提案も行っています。

部品加工例」はこちらをご覧ください。

 

今回は「ステンレス」に関する事例を取り上げました

 

近年は部品形状もより小さく、より細かく、より高精度を求められています。

また、複雑な処理条件にも対応できます。

また疑問、課題、ご不明な点などございましたら、

お問い合わせフォームにご連絡いただければ幸いです。

次回は「非鉄(銅・真鍮・アルミ)」に関しての投稿になります。

熱処理できますか(非鉄編その1)

 

水素熱処理のサーマル化工

 

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