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「水素ってなんだろう?」

「水素ってなんだろう?」

サーマル化工は熱処理の特徴として「水素炉」という言葉を使います。

少し誤解を生みやすい言葉ですが、熱源に水素を使用しているわけではありません。

サーマル化工の熱処理炉は全て電気炉になります。

よく対比される設備名で真空炉がありますが、それも同じく電気炉です。

炉の内部の酸素を無くすために水素ガスを99%以上に置き換えたものが「水素炉」

ポンプで酸素(空気)を引き出し、酸素がほぼなくなった状態のものが「真空炉」

その他のガスで置き換えたものを「雰囲気炉」などと呼びます。

どの炉も酸素が微量にしかないため(ゼロとは言い切れません)金属表面が酸化しない

(変色しない)熱処理が可能です。

ただし、金属そのものが酸化(さびている)や変色(溶接や加工焼け)しているものは

「水素炉」でないと金属の持つ輝く表面になることは難しくなります。

今回はその主役「水素」に関しての記述です。

「水素は原子番号1番の原子です」

一般的に水素と呼ぶのは、原子が2つ結合してできた水素分子から構成される

気体をさします。表記は「H2 」水の素なので「水素」ですね。

なので、水から酸素を分離して水素を取り出すことができますし、

酸素と結びついて水になります。「H2O」です。

水素は地球上で一番軽いと言われている物質です。

空気中に放出すると上の方に速やかに広がっていきます。

水素ガスのタンクは「赤」と決まっていますのでサーマル化工は真っ赤なガスタンク

一色です。ちなみに法令で工場内では無く、屋外での管理となっております。

 

「水素ガスの還元作用とは?」

水素ガスの中に10円玉を入れます。すると、さびがとれて元のピカピカの

10円玉に戻ります。これが還元作用です。銅についていた酸素は水素と結合

して銅から離れ、水になります。

このように酸化と反対の作用をおよぼすことを還元といいます。

実際に10円玉を熱処理するわけにはいきませんので、鉄粉でおこなってみました。

これを水素ガスの中で加熱すると

こうなります。

「物質の本来の姿に戻ること」これが還元です。

「水素の用途とは?」

サーマル化工の金属熱処理でおこなう90%近くが「水素ガス」に

よる熱処理になりますので、金属熱処理での用途があります。

その中には酸素分析装置で使用する部品など、ほぼ酸素が無い部品をつくらなくて

はなりません。

純ニッケル水素焼鈍

 

見た目の美しさだけでなく、内部の含んでいる酸素量は0.3PPM以下

という厳しい基準をクリア出来るのは「水素炉」ならではの特徴です。

その他にも石油を精製するときに使われたり、半導体製造工程で使用されたりします。

身近なものではマーガリンやサラダオイルの油脂硬化剤、化粧品、洗剤などの原料と

しても使用されています。

その中でも有名なのはロケット燃料としての液化水素ですね。

酸素と反応させることによって起きる莫大なエネルギーで宇宙まで飛んでいきます。

「水素は爆発するから危険!」

水素は爆発しやすく、怖いといったイメージがあります。

そういった質問も多く寄せられます。

過去の色々な事故からそのような印象が深く根付いてしまったものかと思われますが

水素と酸素と着火点(温度)の3条件が同時に重ならない限り、爆発することはありません。

正しい工程を守り、安全確認を取れば、全く問題はありません。

サーマル化工では今年で54年目になる「水素炉」での熱処理会社です。

安全基準の順守と徹底した社員教育により、品質の保持を守り続けています。

株式会社サイサン様 大陽日酸株式会社様によるガス講習会を毎年おこなっております。

また、排出するのは熱源のCO2のみなので他の熱処理設備に比べての環境負荷が低く

製造業としてのエコモデル企業として経済産業省・関東経済局の

中小企業向け経営改善事例集~環境視点が企業を変革する~第2集

に掲載されております。(クリックで経済産業省のページへ移行します)

 

どんな質問でも構いません、下記フォームまでご連絡ください。

お問い合わせフォーム

はこちらです。

 

水素熱処理のサーマル化工

「よくわかるサーマル化工サイトはこちら」

 

「熱処理に関する不具合」

「熱処理に関する不具合」とは

今回は熱処理によって発生する不具合に関しての内容です。

金属部品のほとんどは熱処理によって金属特性が得られます。

ですが、大半が最終工程で行われるため熱処理に関する不具合は

致命的なものになります。

最も多い問い合わせ事例ですが大気中で加熱したときに発生する

「酸化スケール」

です。見た目でも分かる、表面の変色と厚い酸化物層になります。

酸化の程度は熱処理工程での

1.酸化性ガスの量が多いほど

2.加熱温度が高いほど

3.加熱時間が長いほど

大きくなります。

つまり、磁気焼鈍を大気中でおこなうと、

表面の酸化スケールを化学的にも物理的にも

除去することは困難になります。

これは鋼に限らず、銅、真鍮、特殊鋼でも同様で

鉄ベースの金属は還元性ガスである「水素雰囲気」

が最も適していています

水素雰囲気による熱処理」に関してはこちらをご覧ください。

その他の金属や特殊鋼、レアメタルなども極力、酸素や水分のない

雰囲気下、もしくは真空中でおこなわなくてはなりません。

加熱時間の短い焼入れだとしても、硬さ不足や焼割れなどが発生します。

材質:純銅

処理条件:450℃ 大気中

厚い酸化物層が生じ、化学的に除去することは出来ませんでした。

また、この後の表面処理工程をおこなうことも不可、という結果になりました。

 

注釈:自社での大気熱処理の表面状態の試験を行ったものであり、製品ではありません。

 

また、熱処理に関する不具合と多くあげられる損傷としては

「変形・変寸」

です。

熱処理後の加工や矯正も可能ではありますが、繊細な部品

になると現実的にはかなり困難になります。

 

Armature alignment for devices

画像:パーマロイ板厚0.2mm HV70

少し触っただけで変形してしまう硬度です。

寸法を変化させないためには、整列処理が最も安心、安全ですが

一番は「コスト」に反映してしまうこと

二番目に「ノウハウ」が無く、確立するまでに時間がかかってしまうこと

になります。

その点は54年という磁気焼鈍専門での永年の経験と知識のある

サーマル化工へお任せいただければ、その課題は難なく解決できることを

お約束いたします。

また磁気焼鈍の場合、

「磁気特性の劣化」が生じます。

磁気特性劣化(内部歪み)は加工でうける衝撃などで、磁化する状態

を指します。この内部歪みを除去することにより、本来の特性を得て

製品化したときの性能が確保されることになります。

 

温度の均一性が保たれていないと、この再結晶化は難しくなります。

とても単純なことになりますが、これは炉内への投入バランスが最も重要となります。

これはサイズ・質量・形状により大きく異なる重要なポイントです。

この処理方法のご提案、もいたします。

お問い合わせフォーム

はこちらまで。

 

次回更新予定は「水素ってなんだろう?」です。

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