「変色や錆びについて」
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皆様よろしくお願いいたします
「熱処理後に変色や錆びはなぜ起こる?」
今回は熱処理後におこる変色・錆びについてのお問い合わせに関しての投稿です。
サーマル化工は埼玉県戸田市に本社工場があり、そこで金属熱処理をおこなっています。
埼玉県は全国でもトップクラスの
「暑い場所です」
特に熊谷市は全国気象ニュースではよく見かけるとおもわれますが戸田市も負けず劣らずの暑さです。
しかも金属熱処理業となると
「工場内はとても暑いです」
約800℃から1100℃までの炉が稼働しています。涼しくするには相当のエネルギーが必要となりますので、
夏季は滞在作業時間を極力減らすためにIT化を推進しています。逆に
「作業スペースは冷えてます」
これにはちゃんとした理由があります。サーマル化工で受けている金属は全て素材の段階です。
そのため、熱処理を行うとそれ相応の金属特性を得ること(磁性・軟化・応力除去・光輝など)
が出来ますが、それと同時に素材の持っている「不働態皮膜」などを失うことになってしまいます。
熱処理を行うということは
「得るものと失うものがある」
これは、あまり理解されていないのが現状です。どのような条件下で錆びが発生するかというと、
「気温25℃以上、湿度40%以上」
と言われています。埼玉県戸田市の気候からすると、5月以降、10月末までの半年間はほぼ超えています。
そのため、熱処理後の雰囲気ガス開放後は素早くこの条件以下に室内を保った作業スペースにて
梱包する必要があります。
「サーマル化工の防錆方法です」
上記の条件以下で作業、保管することは24時間稼働のサーマル化工ならば行えますが、
近年の最高気温40℃超えや想定を超える大雨では、空調の限界があります。
そのため、お客様へ合わせた防錆梱包を行っています。
「防錆紙、防錆シート、シリカゲルでの梱包」
・防錆紙・シリカゲル
・防錆シート(袋状のもの)
・防錆紙同梱、エアー抜きPP袋にて梱包
処理後の製品はなるべくそのままで、というご要望での梱包です。正直なところ、完全には防げません。
シリカゲル・防錆紙・防錆シート(各メーカーで販売しています)で同封梱包したのち、
さらにPP袋梱包でエアー抜き、シール止めした場合でも2日から3日が限界です。
すべて使用期限がありますので再利用をしても効果は期待出来ません。
なるべく段取りよく次工程(メッキなどの表面処理)へ移動させるのが有効です。
「真空シーラーでの梱包」
・ハンディ真空シーラーと専用袋
比較的簡単で、酸化も防げるため一般的になっています。大型の業務用でなければ
本体も低価格で用意することが可能です。ただし、一台だけですと一度に大量の梱包を行うことが出来ません。
また、専用の真空用の袋が必要なので梱包費のコストが高くなります。
サーマル化工の焼鈍処理品の場合、かなり軟化しているので
製品の形状により変形してしまうものには使用できないという面もあります。
「防錆油の塗布による梱包」
・防錆油(液状タイプ)
・防錆油(スプレータイプ)
最も確実なのは防錆油に製品を塗布する方法です。サーマル化工では環境基準適用の防錆油のみ
を使用しています。やはりデメリットとしては、次工程の前に脱脂洗浄が必要になることです。
脱脂液もコスト負担になりますし、廃液処理など環境基準に適応していくには難しい面があります。
製品の形状や大小、材質にとらわれることなく酸化による変色、錆びの発生を防ぐには適しています。
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