焼鈍って何だろう?焼鈍って何だろう?

スマートフォン部品から自動車部品、医療機器まで様々な精密部品に欠かせない技術です

焼鈍(しょうどん)とは、焼きなましともいい、
加工硬化による内部のひずみを取り除き、
組織を軟化させ、展延性を向上させる熱処理のことです。

簡単に言うと、鉄鋼を軟らかくし、加工しやすくすることです。

焼鈍にはいくつかの種類があります。
サーマル化工の焼鈍には何があるのでしょうか。
不思議な熱処理、焼鈍(しょうどん)の世界をご紹介します。

磁気焼鈍

磁気焼鈍

部品加工時に起こる内部歪み(磁化)を熱処理で正すこと。

組織を再結晶化させることにより、
磁気特性を向上させる焼鈍処理を磁気焼鈍といいます。
処理温度と冷却時間のバランスをとることにより
変形や溶着を防ぐ手法を用いることが必要です。

軟磁性材料

軟磁性材料

磁石にくっつく材質のこと。

保磁力が小さく、透磁率が高いことで主に
電磁石の部品としてつかわれます。
純鉄、ニッケル合金(パーマロイ)、
ケイ素鋼などはトランスやセンサーコア、
磁気シールドとして使用されます。

硬磁性材料

硬磁性材料

着磁することにより高い磁力を持つ材料。
アルニコ、フェライトなど永久磁石として使用されます。

主な用途

車載用電装部品 リレー鉄心 衝突安全センサー
EV用部品 モーター部品 電力センサー
音響部品 ダイナミック型 アーマチュア型のヘッドフォン
自動ドアや非接触型カードリーダー センサー部品
医療電子機器 補聴器(音響技術)脳波計(センサー技術)
自家発電(省電力センサー)無振動手術台(リニアモーター技術)
インフラ関連 スマートメーター(通信式電力、ガスメーター)

対応材質

純鉄(炭素量0.1%以下で磁気特性アップ)
パーマロイ(ニッケル45%から80%の合金)
ケイ素鋼板(ケイ素1%から7%まで)
パーメンジュール(コバルト合金 1:1の比率で特性アップ)
電磁ステンレス鋼(特性は各メーカーの規格を参照)

光輝焼鈍

無酸素状態をガスなどで形成し熱処理を行うこと。

表面が酸化することなく、光輝の状態で仕上がります。
還元性ガス(水素)でおこなうと表面の酸化物を除去する
だけでなく、
分子が金属内部を透過して微量な酸化物を
取り除くことが可能です。

光輝焼鈍光輝焼鈍
応力除去焼鈍応力除去焼鈍

応力除去焼鈍

主に冷間加工で生じる加工硬化を軽減するための技術。

ひずみ取り焼きなましとも言われ、鉄鋼に限らず、
すべての金属におこなわれる最も重要な焼鈍です。
工程により焼鈍をおこなうタイミングや温度が異なります。
技術的に困難な加工が可能になる熱処理です。

主な用途

冷間圧延材料によるクラック(ひび割れ)
加工途中の寸法変化(応力ひずみ除去)
加工硬化による寸法公差(精密加工)
時効割れ防止(真鍮(しんちゅう)、炭素鋼)
溶接による高温応力除去
特殊鋼の加工精度向上

対応材質

純鉄 SUY SWCH SUM SS 炭素鋼
ニッケル・パーマロイ・インバー・42Ni
ステンレス全般・ハステロイ・インコネル
銅(C1100 1020他)
真鍮(しんちゅう)(C3604 C2701他)
アルミ(A5056 A6061他)
モリブデン・タングステン・コバール

固溶化処理

三元合金で行われる熱処理。
合金元素を溶け込ませることで金属特性を
上げるために行われます。
オーステナイト系ステンレス(SUS304 316)で
施されると耐蝕性が向上します。

固溶化処理

連続炉

ベルトコンベア方式で焼鈍工程の加熱から冷却を一度に行える設備。
小ロット、多品種、短納期に対応可能で、
異なる材質や
温度条件に素早く対応が可能です。

連続炉入口

連続炉入口

連続式コンベア炉微細部品(100μm以下)や
高精度部品(公差0.05mm以下)の部品を
処理することが可能です。

連続炉炉内

連続炉炉内

高純度の水素ガスを流し続けることにより、
光輝焼鈍が可能になります。
きれいな水素ガスは1,100℃に達すると
透き通ったオレンジ色に輝きます。

連続炉冷却

連続炉冷却

加熱から冷却まですべて水素ガスでおこなうことにより、
金属表面の酸化を防ぎます。
実際のコンベアスピードは
20mm/Min前後、動いているように見えません。

炉内加熱

炉内加熱

築炉(レンガ製の炉)とフェライトステンレス
ヒーターの組み合わせで1,100℃以上の加熱と
ゆっくりと冷却することが可能な焼鈍専用炉です。

純水素ガス

純水素ガス

水素ガスは99.99%(フォアナイン)長時間の
熱処理で99.99999%まで純度を上げることが可能です。
その時の水分量はわずか0.5ppm(0.0005%)
純度の高さは焼鈍後の品質を格段に向上させます。

炉冷却

炉冷却

築炉内でゆっくり冷やした後、さらに自然空冷で
常温まで数十時間かけて冷却します。
この冷却がすべての焼鈍の基本です。
24時間稼働であるのは、高品質の焼鈍プロセスを
守っていくために必要な時間になります。

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