「特殊な金属の熱処理」3

特殊な金属の熱処理3
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皆様よろしくお願いいたします
特殊金属の熱処理について、第3回目のご紹介です。
サーマル化工では、研究開発、試作、試験を事業の柱としております。
そのため、特別な用途に使用される合金や一般的にはあまり耳にしない材質の処理を承ることができます。
「コバール」に関しては、水素還元処理が行われます。
「パーメンジュール」については、磁気焼鈍処理が施されます。
「Au Ag Niメッキ品」では、拡散処理が適用されます。
ご注意:掲載されている画像はイメージであり、開発中の案件を含むため、
処理条件などの詳細が記載されていない内容についてはお答えしかねる場合があります。
ご理解いただけますと幸いです。
コバール
コバールは鉄にニッケルやコバルトを加えた合金で、成分例にはFe-29Ni-17Co-Si-Mnがあります。
この合金は常温での熱膨張率が低く、硬質ガラスに近いため、ガラス封着やICリードフレームの
ハーメチックシールなどの電子部品封着端子に利用されます。
耐熱性や熱膨張係数がガラスやセラミックと一致し、互いに濡れ合う性質を持つため封着に適しています。
しかし、加工硬化しやすく、熱伝導率が低いため、切削加工が困難な材料です。
熱処理では、ガラス封着時に問題となる気泡の発生を防ぐことが重要です。
コバールに含まれる酸素が原因の一つとされていますが、加工時に酸素を防ぐことは難しいです。
水素還元を利用した熱処理により、コバールから酸素を除去することが可能です。
処理温度は950℃から1000℃で、保持時間は数分程度、急冷も可能ですが
炉内や治具に酸化物が少なく、水素の露点がほぼゼロであることが重要です。
パーメンジュール
パーメンジュールは鉄とコバルトを1:1の割合で混合した合金です。
49Fe-49Co-2Vは軟鉄強磁性合金で、高い磁束飽和密度が特長です。
磁束密度が高いとは、面積あたりの磁力が強いことを意味します。
これにより、小さな部品で大きな力を発揮し、製品の小型化に貢献できます。
電磁石の鉄心、音響スピーカー、医療用リニアパルスモーターなどに使用されています。
最近では、モーターの駆動部品としての開発が活発に行われ、
研究開発から試作、量産に至るまで、多くの熱処理の依頼があります。
Au Ag Ni メッキ品
Au 金メッキ
Ag 銀メッキ
Ni ニッケルメッキについては、熱処理による拡散を促進する研究開発を進めています。
通常、無電解ニッケルメッキにはベーキング処理(析出硬化処理)が行われますが、
サーマル化工では、研究開発分野の依頼に限り、不活性ガス中でのメッキ拡散処理を提供しています。
使用する母材はモリブデンを含む特殊鋼が多く、一般的な工業製品では見られない貴金属メッキの
拡散(均一化)に関する膜厚と温度の研究開発事例です。
「研究開発案件を事業としています」
サーマル化工では、これまでにない熱処理技術を用いて素材の付加価値を向上させる
研究開発を行っています。
熱処理に関する計画をお持ちの研究開発企業様からのご連絡をお待ちしております。
こちらの お問い合わせフォームにご連絡いただければ幸いです。
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