「焼鈍」(しょうどん)
2020.08.03
金属熱処理
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「焼鈍(しょうどん)と読みます」
今回は熱処理用語、焼きなまし=焼鈍に関しての投稿です。サーマル化工は金属材料の焼鈍処理をおこなっています。
焼きなましは目的に応じて呼び方が違います。
「目的と組織変化」
目的に応じて組織を変化させること、これが熱処理です。焼鈍(焼鈍は)目的によって温度が変わります。
「焼鈍の目的と種類」
目的 | 種類 | 呼称 |
内部応力の除去 | ひずみ取り焼きなまし | 応力除去焼鈍 |
冷間加工途中の軟化 | 中間焼きなまし | 中間焼鈍 |
組織の調整 | 球状化・拡散焼きなまし | 球状化・拡散焼鈍 |
結晶粒の微細化 | 完全焼きなまし | 完全焼鈍(磁気焼鈍) |
「適当な時間一定温度で処理します」
不親切な表現ですが材質と厚みや大きさで焼鈍温度は異なります。
温度 | 種類 | 内容 | 時間 |
低 | 応力除去焼鈍 | 材料がつくられる段階の冷える速度により、
大きな内部応力が生じます。 これを除くのがひずみ取り焼鈍です。 あらかじめ焼鈍材として販売していることもあります。 |
短 |
中 | 中間焼鈍 | 一般的な加工をすると、
材料は徐々に加工硬化を起こします。 破断などを防ぐために途中で熱処理を行います。 目的によって完成品の硬度を調整したり、 バネ性を向上するために行う材質もあります。 |
中 |
キュリー | 球状化焼鈍
拡散焼鈍 |
材質(炭素量)により行う焼鈍です。
組織中に球状炭化物を拡散させる熱処理です。 均一の温度は拡散処理の安定につながります。 |
長 |
高 | 完全焼鈍
磁気焼鈍 |
鋼の場合、ここの温度はγ域温度
(A3もしくはA1温度以上)となり、 磁性材料の場合は磁気焼鈍の温度になります。 完全焼鈍はおこなうと元の硬度や組織には戻せません。 また、均等に加熱しないと組織がばらつきます |
長 |
「冷却温度がなによりも大切です」
焼鈍処理すべてはなによりも「冷却温度」が大切です。炉内でゆっくり冷やす「炉冷」が最重要ポイントになります。
また、炉から取り出す温度も重要で、この冷却に関しても、サーマル化工では永年の経験とノウハウがあります。
標準的な温度パターンですが、冷却時間が全工程中一番長くなっています。そのため、サーマル化工は
24時間連続稼働しています。
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