「金属の歴史」2
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「鉄はどうやって伝わったのか?」
ヒッタイト王国(現在のトルコ周辺)滅亡後、数百年をかけてインド・メソポタミア(現在のイラク)
中部ヨーロッパ、ギリシャへと伝わったとされる製鉄技術ですが、
紀元前700年頃にはエジプト、中国でも鉄製造技術が始まったとされていて、
紀元前500年にはイギリスで鉄の生産が行われていた記録が残っています。
「古代人から見る鉄とは」
古代エジプトでは鉄を「天からの贈り物」と位置付けており、「天恵の金属」と呼ばれていたとされています。
そのため、人工的に鉄をつくることはタブーとされ、古代オリエントやエジプトなどでは鉄の製造を
周辺部の征服民族などに作らせていたという記録が残っています。
北欧やアフリカの一部では鉄は尊ばれており、神話にも出てきます。
また、人工的に作ることに肯定的な考え方をもっていました。その中間に当たるのが日本です。
有用性や聖性は認めているものの、作ることを否定することはありませんでした。ですが、
鉄の生産者は良く思われることはなかったようです。
ヤマタノオロチの伝説の中に、鉄を採るために山を掘り続けた人間たちに怒り、川を氾濫させ、
人間たちを窮地に追い込んだというお話があります。自然を壊すことをタブーとしたのでしょうか。
しかし、伝説ではスサノオが刀で切り刻むと「あまのむらくものつるぎ」と呼ばれる剣が出てきます。
推測ですが、ヤマタノオロチとは鉄の化身で、鉄は日本人にとって扱いを十分に考えるもの、
という位置づけだったのではないでしょうか。
「鉄に関する言葉」
鉄に関する言葉として
・Iron(アイロン)
・Steel(スチール)
という言葉があります。Ironはケルト語から、Steelは古代ゲルマン語からきています。
どちらも梵語で輝くものを意味するAyas(アヤス)というサンスクリット語から生まれたとされています。
世界中の言語の起源であるという説もあるサンスクリット語は紀元前1500年頃に文書化された
記録が残っているといわれ、その頃には鉄は光輝くものとの意味を持っています。
その頃、鉄の製造技術とともに「今から3500年前には熱処理という言葉があった」と思われます。
「鉄を錆びさせない技術もあった」
紀元前1500年頃の古代インドで作られた鉄にウーツ鋼というものがありました。
シリア、ダマスカスで類い希な材料として有名になりダマスカス鋼とも呼ばれています。
現在でも現存すると言われているダマスカス鋼ですが、内戦状態にあるシリアに確認するすべはありません。
紀元前4世紀ごろにインドの王からアレキサンダー大王(古代ギリシャの王)にその鋼の塊を贈ったとされる
文書も残っています。
インド、デリーにある鉄柱は西暦415年につくられ、1600年以上経った今も錆びずに現存していることで
有名ですが、このウーツ鋼には何らかの皮膜処理が施されていたとされており、
最も有力な説はリン酸塩皮膜処理という表面処理技術ではないかと言われています。
このことから、
「少なくとも2500年前には表面処理の技術があったことになります」
次回「金属の歴史3」に続きます。
参考文献:株式会社 上島熱処理工業所
顧問 鶴見州宏様
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