「磁気焼鈍」その2

「磁気焼鈍」その2

「磁気焼鈍の必要性とは」

 

磁気焼鈍(じきしょうどん)の必要性とは、さまざまな分野における電子制御部品の機能を向上させるため

不可欠となってきています。次世代自動車では走行距離や安全性能を上げるための特殊工程として

小型化や省電力化が強く要望されています。特に環境負荷低減には今以上に必要な工程のひとつといえる

でしょう。また、あらゆる製品の電動化が進み始めています。船舶、農機具、そして航空機に至るまで。

生活を支えるインフラ設備、次世代通信機器、医療電子機器と高性能かつ高精度、安全で正確な動作を

要求する製品には欠かせないものとなっています。

 

「磁気特性とは」

 

磁気特性とは磁性材料が磁化された際に、材料が示す磁気的な性質です。

用途に応じて直流磁気特性、交流磁気特性が使い分けられます。

 

1.透磁率(とうじりつ)

磁性をあらわす数値です。材料の磁性なりやすさ(磁束の通りやすさ)になり、数値が高いほど、電気が

流れやすくなります。簡単にいうと「どれだけ磁化しやすい物質なのか」になります。鉄は磁化しやすく、

磁力を与えると材質によっては磁石(フェライト、アルニコ、ネオジムなど)になります。逆に銅やアルミは

磁化しにくく、磁石にくっつきませんが、材料の持つ磁力が弱いだけで、磁化はしています。

お問い合わせとしてオーステナイト系ステンレス(SUS304)が加工により磁化してしまった、

磁気焼鈍は可能かという内容が寄せられます。元々非磁性と言われていますが、弱くとも磁化します。

「金属に限らず、物質である以上すべてのものは磁化します」

SUS304の磁気焼鈍は可能ですが、高温・長時間・急冷という工程のため、

著しい寸法の変化が起こります。製品として使用できるかどうかとなるとかなり困難を極めることと思われます。

ステンレスは高温で熱処理をすると激しく変形が起こります。

 

2. 磁束密度(じそくみつど)

磁場の強さに透磁率をかけたもので、磁束密度が濃いほどより強い力となります。鉄を磁界の中で磁化させて

飽和磁束密度まで達したあと、磁界をゼロにしても残留するもの(保磁力が高いもの)残留する数値が低いもの

(保磁力が低いもの)と分けられます。この保磁力とは鉄を加工した場合などの内部歪みで高くなりますが、

磁気焼鈍処理で内部歪みを正すことにより低くなります。上記にある、SUS304の脱磁目的とは異なり

保磁力を下げることが磁気焼鈍処理となります。これは材質によりますが「磁気特性」と呼ばれるものの

ひとつとなります。磁界をゼロにしたとき最もゼロに近くなるには「水素中で熱処理をした鉄」になるため

サーマル化工での磁気焼鈍は水素雰囲気中でおこなっている、ということなります。

電磁石でいうとスイッチをオン・オフした時の反応速度の速さに関係する数値といえます。

水素中で磁気焼鈍を行うことで最終的な製品動作に影響していきます。

 

3.保磁力

磁化されている物体に、磁化されている方向と逆方向に加え残留磁気を打ち消す大きさの磁化力です。

保磁力が大きい材質は強磁石として、小さいものは鉄心や継鉄などに使用される用途となります。

磁気焼鈍は保磁力をより小さくするために加工でおこった内部歪みを正し、磁力の方向性を戻す熱処理です。

この保磁力の高低には炭素量が大きく関係してきます。

お問い合わせで炭素鋼S45Cの磁気焼鈍は可能ですかというご質問があります。

可能ですが、炭素鋼の持つ炭素量を大幅に下げる熱処理、脱炭を行わなくてはなりません。

脱炭は水素雰囲気下で熱処理を行う必要があり、通常の磁気焼鈍より長い時間が必要となります。

それでいて極端に炭素量が下がる分けではなく、保磁力が純鉄ほど低くなることはありません。

また、フェライト系SUS430と純鉄との保磁力対比での磁気焼鈍を行う試験実績もあります。

この事例は、磁気焼鈍後の強度を比較検討されるためのものと推測されますが、クロム合金もまた、

磁気焼鈍で保磁力を下げるのは困難な材質となります。SUSの持つ金属特性(耐蝕性など)を失う

処理工程を踏まなくてはならず、本来の姿とは言えない仕上がりにもなってしまいます。

ですが、こちらから材質により磁気焼鈍には不向きですということは決してありません。

新しいことへの可能性を見つけるには、過去にとらわれず挑戦していくことが大切だと思います。

サーマル化工では多くの試験実績があります。その用途に関してこちらから詳細を求めることはございません。

熱処理で可能な材質は金属部品に限らず承ります。

 

 

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