水素還元

「水素について」

2020.04.16
水素還元

「水素ってなんだろう?」

 

 

サーマル化工は熱処理の特徴として「水素炉」という言葉を使います。

少し誤解を生みやすい言葉ですが、熱源に水素を使用しているわけではありません。

サーマル化工の熱処理炉は全て電気炉になります。

よく対比される設備名で真空炉がありますが、それも同じく電気炉です。

 

炉の内部の酸素を無くすために水素ガスを99%以上に置き換えたものが「水素炉」

ポンプで酸素(空気)を引き出し、酸素がほぼなくなった状態のものが「真空炉」

その他、ガスで置き換えたものを「雰囲気炉」などと呼びます。

どの炉も酸素が微量にしかないため(ゼロとは言い切れません)金属表面が酸化しない

(変色しない)熱処理が可能です。

 

ただし、金属そのものが酸化(さびている)や変色(溶接や加工焼け)しているものは

「水素炉」でないと金属の持つ輝く表面になることは難しくなります。

今回はその主役「水素」に関しての記述です。

 

「水素は原子番号1番の原子です」

 

一般的に水素と呼ぶのは、原子が2つ結合してできた水素分子から構成される気体をさします。

表記は「H2 」水の素なので「水素」ですね。なので、

水から酸素を分離して水素を取り出すことができますし、酸素と結びついて水になります。「H2O」です。

水素は地球上で一番軽いと言われている物質で、空気中に放出すると上の方に速やかに広がっていきます。

水素ガスのタンクは「赤」と決まっていますのでサーマル化工は真っ赤なガスタンク

一色です。ちなみに法令で工場内では無く、屋外での管理となっております。

「水素ガスの還元作用とは?」

 

水素ガスの中に10円玉を入れます。すると、さびがとれて元のピカピカの10円玉に戻ります。

これが還元作用です。銅についていた酸素は水素と結合して銅から離れ、水になります。

このように酸化と反対の作用をおよぼすことを還元といいます。

実際に10円玉を熱処理するわけにはいきませんので、鉄粉でおこなってみました。

これを水素ガスの中で加熱すると

こうなります。

「物質の本来の姿に戻ること」これが還元です。

「水素の用途とは?」

 

サーマル化工の金属熱処理でおこなう90%近くが「水素ガス」熱処理になります。

その中には酸素分析装置で使用する部品など、ほぼ酸素が無い部品をつくらなくてはなりません。

純ニッケル水素焼鈍

 

見た目の美しさだけでなく、内部の含んでいる酸素量は0.3PPM以下

という厳しい基準をクリア出来るのは「水素炉」ならではの特徴です。

その他にも石油を精製するときに使われたり、半導体製造工程で使用されたりします。

身近なものではマーガリンやサラダオイルの油脂硬化剤、化粧品、洗剤などの原料としても使用されています。

その中でも有名なのはロケット燃料としての液化水素ですね。

酸素と反応させることによって起きる莫大なエネルギーで宇宙まで飛んでいきます。

「水素は爆発するから危険!」

 

水素は爆発しやすく、怖いといったイメージがあります。そういった質問も多く寄せられます。

過去の色々な事故からそのような印象が深く根付いてしまったものかと思われますが

水素と酸素と着火点(温度)の3条件が同時に重ならない限り、爆発することはありません。

正しい工程を守り、安全確認を必ず行う仕組みを作り、実行することで事故は防げます。

サーマル化工では今年で54年目になる「水素炉」での熱処理会社です。

安全基準の順守と徹底した社員教育により、品質の保持を守り続けています。

株式会社サイサン様 大陽日酸株式会社様によるガス講習会を毎年おこなっております。

また、排出するのは熱源のCO2のみなので他の熱処理設備に比べての環境負荷が低く

製造業としてのエコモデル企業として経済産業省・関東経済局の

中小企業向け経営改善事例集~環境視点が企業を変革する~第2集

に掲載されております。(クリックで経済産業省のページへ移行します)

 

「焼鈍」専用ページはこちらから

 

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