「金属の歴史」5
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「近代製鉄法の発展」
昔の製鉄法
1856年まで欧州では製鉄法として浸炭法とルツボ法のふたつが行われていました。
インドやスペインで生産されていたものは、このふたつの組み合わせによっておこなわれており、
浸炭法はベルギーで1600年頃から、ルツボ製鉄法は1740年頃からイギリスで見いだされていました。
近代製鉄法発展の歴史年表
・1722年 ルミエール(仏)浸炭鋼や可鍛鋳鉄の製造法を開発。
・1733年 デービー父子(英)により石炭(コークス)製鉄法が完成。
・1740年 ハンツマン(英)によりルツボ鋳鉄法開発。
・1783年 コート(英)がパドル法を開発。コークスを用い反射炉で可鍛鉄に変える精錬法。
圧延と結合して大量生産が可能になる。
・1858年 ベッセマー(英)転炉法を発表後、スウェーデンにて工業化に成功。
「浸炭製鉄法」
この方法は錬鉄のような低炭素の鉄を木炭または他の炭素を含む物質と接触させて赤熱すると
鉄は炭素を約1.7%まで達することを応用したもの。
炭素吸収量は鉄と炭素の接触時間と温度によって変化する。炉を点火してから4日かかって赤熱、
1000℃に達してから12日間保持していた。欠点として均質性を欠いていた。
現在では「浸炭焼入れ」「浸炭窒化」となり、炭素量も調整が可能となっています。
「ルツボ製鉄法」
この方法は鉄と木炭を一緒に混ぜて加熱して得た浸炭鋼をルツボに入れてコークス炉で高温加熱し、
この中で均質な鋼を得ることが出来る。
この鋼は鍛錬が効くものであり、さらに発展して所定の炭素量の鋼を作ることが可能となった。
現代の特殊鋼を作る基本ともなっており、超高温で人工鉱物をつくる技術にもなっています。
「パドル法」
ヘンリー・コートにより開発された方法で、パドルはカヌーのかい、を由来としている。
石炭焚きの反射炉で鉄を加熱し、半溶融状態でパドルと呼ばれる鉄棒で攪拌して炭素を燃焼、
不純物を除去して錬鉄を得た。
後のベッセマー法や平炉法(副原料として脱酸剤、脱硫剤が使用された方法)が発明されるまでは
この方法が主力の製鉄法でした。
「イブン・アル・ハイサム」
8~15世紀にイスラム世界において発達し、アラビア語で書かれた科学の総称「イスラム科学」では、
哲学、論理学、幾何学、天文学、医学、錬金術、博物学、地誌学などに精通しており、
その中でも、イブン・アル・ハイサム、バッターニ、イブン・スイーナーらが活躍しました。
ハイサムはプトレマイオスが唱えた光学理論(目から光線が放出して見えるとしていた)を徹底的に分析し
光が反射し。それが目で像鵜を結ぶという正しい理論を発見。これにより望遠鏡、顕微鏡が生まれた。
光学、医学、金属学に及ぼした影響は絶大であり、「光学の父」と呼ばれ、高額の基礎となった
帰納法的推論はベーコン、デカルト、ケプラーらが受け継いだ。
イスラム科学から世界中の文明の発展に大きく貢献したという事実を認めなければならない、という
学者もおり、世界が歴史的に正しい場所へ置きなおさなくてはならない、という意見もあります。
「アラビア語またはペルシャ語からきた言葉」
・錬金術(alchemia,alchimai,alchemy)はal(定冠詞)が取れてchemia(化学)となります。
これが化学の語源となりました。
それ以外にも
アルカリ、アンモニア、アニリン、ソーダ、シロップ、モスリン、ガーゼ、ソファー、タフタ
パジャマ、オレンジ、スイカ、シャーベット、アルコールなど
今でも日本語として浸透している言葉が多くあることが分かります。
次回「金属の歴史」6に続きます。時代は1800年代に入ります。
参考文献:株式会社 上島熱処理工業所
顧問 鶴見州宏様
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