熱処理できますか(非鉄編)

熱処理できますか(非鉄編)

熱処理できますか(非鉄編)

 

今回は「非鉄編」になります。

サーマル化工で熱処理をおこなっている代表的なものは銅・真鍮(しんちゅう)・アルミ

になります。硬貨でいうと10円玉・5円玉・1円玉ですね。

その他多くの材種がありますが、今回は特に「銅と真鍮」を中心に事例を挙げてみます。

銅は金・銀と同じく遷移金属で、人類に古くから利用されています。

銅は軟らかく、電気を通しやすく、延び率も良い金属です。また熱を伝える力も強く

銅像のような成形品から電子部品まで幅広く使われているなじみ深いものです。

とても種類が多いのでおおまかに分類すると

1)純銅 (無酸素銅 C1020 タフピッチ銅 C1100など)

2)高銅合金(ベリリウム銅 C1700 C1720など)

3)黄銅(真鍮)(六四黄銅 C2801 快削黄銅 C3604など)

4)銅ニッケル合金(キュプロニッケル C7150 洋白 C7521など)

のように分けられています。

高圧電力から電子部品、最近では電気自動車まで熱と電気に関わる製品から

ガスケット・パッキン・装飾品・建築資材まで幅広く使用されています。

・銀と並び貴金属での使用頻度が高く、最近では国内でのリサイクルも活発です。

都市鉱山という言葉も出来るほど日本国内で流通しています。

軟らかく、しなやかな銅にも欠点があります。それは加工を施すと硬化してしまう

「加工硬化」が起こってしまう事と、表面が変色(酸化)しやすい

ということです。

その問題は熱処理で解決可能です。

今回は銅・真鍮の「応力除去焼鈍処理」と「光輝焼鈍処理」いう熱処理になります。

 

今回はサーマル化工で熱処理を行っている「銅・黄銅・アルミ」をご説明します

 

一般的な銅の定義は反磁性、表面に酸化被膜を帯びています。融点は1083℃で

金・銀に比べて高いので熱源に近い部品や電気部品に使用されています。

ただし、軟らかさを特性とした材質なので、当然ですがそのような部品に使われることが

多くなります。

 

画像は無酸素銅で加工されたガスケットですが、硬化しているため最終工程で割れが

生じてしまいます。このお客様は以前、ガスバーナーの直火で軟らかくしていました。

その手法では

1) 炎なので温度が高すぎて溶けてしまう

2) 人の手なので硬さがばらつく

3) 激しく酸化(真っ黒になります)するので酸洗などの次工程が必要になる

の問題が起こっていました。

サーマル化工では適切な温度管理と、部品の硬度からの条件出し、雰囲気ガスによる

無酸化状態での熱処理、が可能です。歩留まり改善と硬度の標準化、酸洗などの工程削減

を同時に改善することが可能です。

お客様の問題は「光輝焼鈍処理」で解決しました。

銅にはあらかじめ硬度が設定された状態で販売されています。

1)O材(なまし材)

2)H材(1/2H 1/4Hなどがあります)

がO材でも加工硬化が起こり、指定硬度は熱処理無しでは難しくなります。

また、母材次第では硬化率が異なり、温度条件は250℃から550℃までと

範囲がとても広くなります。

大気中で処理を行ったり、雰囲気を形成出来ていなかったり(真空でも同様のことが言えます)

熱処理条件を間違えると銅は元の硬度に戻すことは出来ません。

そのような知識と経験は50年以上の実績があるサーマル化工の熱処理技術で対応いたします。

水素雰囲気による熱処理」に関してはこちらをご覧ください。

 

 

サーマル化工では光輝焼鈍の熱処理が可能な技術を持っています

 

次は黄銅(真鍮)です。ブラスとも呼ばれています。(ブラスバンドのブラスです)

銅と亜鉛の合金で割合が6:4なので六四黄銅と言われ、快削性を上げた快削黄銅は

幅広い分野で使用されています。

1)加工性がよく

2)酸化しにくい

3)価格もほどほど

のですが、経年劣化による割れと銅と同じく加工硬化が起こるため

応力除去焼鈍処理」や「光輝焼鈍処理」が必要となります。

 

黄銅は250℃から350℃でおこなう「応力除去焼鈍処理

それ以上の温度でおこなう「光輝焼鈍処理」に分けられます。

経年劣化や加工応力を除去する場合と、上記画像にあるように加工硬化を

軟化する目的とがあります。ただし、温度を上げすぎると亜鉛が析出し

黄銅色が濃くなったり、それ以上になると白っぽくなったりします。

これは析出といって表面に内部の成分が表れてしまう現象です。

やみくもに温度を上げれば軟らかくなる、というものでもありません。

黄銅の熱処理は温度が達すれば、「磁気焼鈍処理」のような保持時間は必要ない

と言われていますが、一度に大量にかつ質量がある場合はそれ相応の温度と

時間が必要となります。

黄銅も銅と同じく熱処理条件を間違えると元の硬度に戻すことは出来ません。

サーマル化工は24時間連続稼働、多くの温度帯を同時に処理が可能な

設備を保有しています。

アルミですがこちらも黄銅同様の加工硬化などの現象が起こりますが

黄銅に比べて温度が低くなります。一般的なA5056の溶解温度は660℃です。

その為、温度条件を間違えたりすると、当然ですが溶けます。

多くの加工部品に使用されており、大気中でも酸化しないので大気炉でも熱処理は

可能ですが、黄銅や銅と同じく熱処理条件を間違えると元の硬度に戻すことは出来ません。

設備一覧」に関してはこちらをご覧ください。

 

 

サーマル化工へよくあるお問い合わせの一例です

また、銅・黄銅も鉄やパーマロイ、ステンレスと同じく

高温、長時間、雰囲気下(もしくは真空下)で熱処理をおこなうと金属表面が活性化され

溶着がおこります。要因は色々考えられますが、

 

  • 溶着してしまった・・・「炉内一杯に詰め込みすぎ」

形状を確認せず、詰め込みすぎると銅も溶着します。特に軟らかいので全数不良となります。

 

  • 変形してしまった・・・「重ねすぎ・治具に入れすぎ」

銅・黄銅・アルミともに熱処理後は硬度が落ちます。入れすぎが変形の要因になります。

 

  • 処理後に変色してしまう・・・「不十分な前処理」

切削油やコンタミは、表面の変色につながり、次工程処理が不可能になる場合もあります。

 

  • 硬度が安定しない・・・「乱雑な治具への投入」

質量が合っているからといってバラバラに投入するのは絶対に行ってはいけません。

溶着・変形し、部品として使用することは出来なくなります。

サーマル化工ではマイクロビッカース硬度計を保有しており、前後の硬度検査が可能です。

 

  • 処理後に酸化し、メッキがのらない・・・「整列処理・整列梱包の経験不足」

銅は治具への整列、投入量の標準化を図っていても、形状により溶着します。

また、梱包に紙などを同梱してしまうだけで激しく酸化します。

50年以上の経験がある弊社では形状別に投入・梱包のノウハウがあります。

 

一度熱処理し、硬度が落ちた非鉄は再処理出来ない材料です。

サーマル化工では衝撃から製品を守る梱包手法のご提案も行っています。

部品加工例」はこちらをご覧ください。

 

今回は「銅・黄銅・アルミ」に関する事例を取り上げました

 

近年は部品形状もより小さく、より細かく、より高精度を求められています。

また、複雑な処理条件にも対応できます。

また疑問、課題、ご不明な点などございましたら、

お問い合わせフォームにご連絡いただければ幸いです。

次回は「特殊鋼」に関しての投稿になります

 

 

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