「熱処理後の梱包」

「焼鈍後の梱包も大切です」
熱処理の焼鈍後は錆びや変色にも注意が必要ですが、焼鈍(焼きなまし)後は硬度が著しく低下し、
変形の原因となる場合があります。サーマル化工で行っている磁気焼鈍(じきしょうどん)は
部品ですと磁気特性の劣化(衝撃により磁化してしまう)も起こりうる可能性があります。
場合により、「不具合品」とされてしまいます。
「梱包の重要性」
磁力の方向性を揃えて、磁性材料の特性を活かす、これが磁気焼鈍です。
衝撃による磁気特性劣化は電気部品の場合、製品になるまで不具合が分かりにくく、
一度起こってしまうと原因を特定するのは困難を極めます。詳しくは下記のブログをご覧ください。
「熱処理後の硬度一覧です」
材質別焼鈍後の硬度一覧になります。
温度 | 材質 | 内容(HVビッカース硬度) | 時間 |
高 | 純鉄(生材) | 元硬度(加工硬化した場合)HV200~300
磁気焼鈍処理後(850℃)HV60~100 |
長 |
高 | パーマロイ | 元硬度(加工硬化した場合) HV180~300
磁気焼鈍処理後(1100℃)HV50~80 |
長 |
高 | ステンレス | オーステナイト系(圧延後) HV300~500
固溶化処理後(1100℃) HV120~180 |
短 |
低 | 銅
真鍮 アルミ |
純銅(加工硬化後) HV100~150
焼鈍処理後(C1100) HV40~60 真鍮(加工硬化後) HV85~150 焼鈍処理後(C3604) HV60~100 アルミ(加工硬化後) HV160~200 焼鈍処理後(A5056) HV80~100 |
短 |
※加工後及び熱処理後の硬度はおおよその数値となります。
加工精度、熱処理温度により異なりますので詳細はお問い合わせ下さい。
このように磁気焼鈍、焼鈍後は半分程度の硬度となり、HV50とは、ひとのちからで簡単に曲げられる硬度となります。
「梱包の一例です」
段ボールの内側をすべて緩衝材で囲います。
錆びにも強く、衝撃による変形や破損を
防ぎます。
ポリプロピレンの外装箱ですとなお
強度が増し、再利用が可能です。
上部や隙間にはエアパッキンを使用します。
紙類を使用すると湿気による錆びが
懸念されます。
なるべく使用は避けたほうが良いでしょう。
製造ロットなどを管理する場合は
さらに小型のPPトレーで分類します。
また、小分けにすることで製品同士
のキズや変形も防ぐことが可能です。
測定サンプルなどは製品と分けて梱包します。
ビッカース硬度計などで測定すると
ごく僅かですが打痕が発生します。
また、保磁力測定では磁場装置工程で
変形やキズのつく恐れがあるためです。
「焼鈍」専用ページはこちらから
「研究開発案件を事業としています」
サーマル化工ではこのような今までにない、熱処理で素材の付加価値を高める研究開発を事業としておこなっています。
研究開発を行っている企業様で熱処理に関しての計画のある案件はぜひご連絡いただければ幸いです。
また、当面の間、大学、高専の研究案件に関しましては無償で行います。
詳しくはこちらをご覧ください。
その他にも、比較材料の購入・加工、熱処理後の表面処理(メッキ・被膜・特殊コーティング)
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まずはお気軽に、熱処理のことならサーマル化工へ。こちらの お問い合わせフォームにご連絡いただければ幸いです。
純鉄0.1mm磁気焼鈍後
黒染め・パーカー処理を行ったサンプルです。
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