雰囲気熱処理って?

金属製品、鉄鋼製品に幅広く使われる技術になります。その役割は熱を用いて金属材料が本来持っている姿を引き出すものでそれを硬くしたり、軟らかくすることなどを発展させてきました。金属熱処理は現代の社会を支える必要不可欠な役割をもっています。

金属熱処理の手法

金属熱処理には様々な手法があり、
それぞれ金属材料の特性や用途に応じて使い分けられます。
以下に代表的な金属熱処理の手法をいくつか紹介します。

雰囲気熱処理(ふんいきねつしょり)

雰囲気熱処理

雰囲気熱処理というのは、ガス中で部品を熱処理する方法のことです。
ここで大事なこと、ガスを使わなかったり、純度が低かったりすると部品が変色して不良品になります。サーマル化工では雰囲気熱処理(ガスを使った金属熱処理)という方法で色を変えずにピカピカに仕上げます。
そのときに使うガスは純水素、金属によっては窒素やアルゴンをつかっています。
ガスは露点という水分量で純度をあらわし、マイナスなほどよいガスです。
露点が高いと金属の表面に着色や酸化が起きるので、ほっておくと錆びてしまいます。研究開発の皆様からは特殊配合ガスでの熱処理を依頼されることも。
比率は99:1から、とっても繊細で高純度なものを求められることもあります。

磁気焼鈍(じきしょうどん)

磁気焼鈍 つぎは磁気焼鈍(じきしょうどん)について説明しますね。

磁気焼鈍は純鉄、パーマロイなどの磁性材料を部品に加工するときの衝撃で内部組織のひずみ(結晶がバラバラになること)を、再結晶化(温度と時間で安定化)して、磁気特性(磁力の向きをそろえてあげられる)を上げる技術なのです。いまはEVなど電動化が進むモビリティ分野において大事な工程になっています。ぶつからない技術、道を教えてくれる製品、音楽を聴いたり、調べたことを教えてくれる技術など、みんなの周りで活躍しているのです。

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光輝焼鈍(こうきしょうどん)

光輝焼鈍

少しくらいの錆びならなくすことも、工程で焼けあとがついた表面も元に戻しちゃう!
だから「光輝」って名前がついてるんだ。

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水素還元(すいそかんげん)

水素還元 水素還元は、水素と酸素がつながって、金属表面の酸化を取り除くことなんだ。

Fe+O(酸化鉄)を水素ガス(H2)の中で温度を上げていくとFe+O-HOH=(H₂O)になってFeだけが残るというわけ。この技術で排出されるのは水素だけなんだ。

しかも水素は環境に優しいからね。

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焼きなまし

焼きなまし

焼きなましは、金属熱処理の用語で、金属を軟らかくする技術のこと。焼きなましは時間をかけてゆっくり冷やすこと鉄を軟らかくする。材質によって、それぞれ焼きなましと焼き入れに合ったものがある。硬すぎるステンレスや特殊鋼には焼きなましが施される。日本の古くからの技術で、刀のみね(刃の背中側)は焼きなまし。だからあんなに硬くても簡単に折れたりしないんだ。

時効硬化処理

時効硬化処理(じこうこうかしょり)

時効硬化処理について。
時効硬化処理は、金属熱処理の一つで、特殊な材料に施される技術。長時間にわたって一定の熱をかけることで硬化させる。
複数の材質が混ざり合って金属特性を向上させる処理方法で、析出硬化処理とも呼ばれるんだ。

以上が代表的な金属熱処理の手法です。
金属材料の特性や用途に応じて、適切な熱処理法を選択することが重要です。

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金属熱処理の主な対応材質

焼きなまし

パーマロイ

これから説明するのは「パーマロイ」鉄・ニッケル合金のこと。鉄・ニッケル合金は、磁性材料の中でも透磁率の幅が広くて保磁力が低い特徴があります。磁場が加わると磁化されて、取り除くと元に戻る。この合金はニッケルと鉄の比率によっていくつかの種類に分かれていて、磁気シールドとして使われることも。最近では高性能センサーとしての需要が多くなってと聞いています。

パーメンジュール

「パーメンジュール」とは。
鉄とコバルト+バナジウムの比率が約50 : 50で、PBパーマロイと同等の透磁率があります。それだけじゃなく、飽和磁束密度(磁場中での磁化)が高いから、製品の小型化を目指した開発が進んでいるのよ。特に次世代モーターとしての注目度は高くなってきているとのお話もあります。

パーメンジュール
純鉄

純鉄

最後は「純鉄」について。
純鉄は、鉄の成分が99.95%以上で、炭素量が0.02%以下のほぼ不純物を含まない鉄のこと。幅広く色々な磁性材料として使われています。
パーマロイやパーメンジュールに比べると、透磁率や保磁力はやや劣るけど、流通量が多く、加工しやすいのが特徴。リサイクル率も高いのでこれからより見直されることになるでしょう。

金属熱処理に関する
スタッフブログ

「特殊な金属の熱処理」3 

2024.03.26

「特殊な金属の熱処理」2

2024.03.04

「特殊な金属の熱処理」

2024.03.03
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